私は本を読むことが得意ではない。
たまにしか読まないから、久しぶりに本を開いては、同じページを繰り返し読んだりしている。
読みたくて買った本が積まれているのを横目に、今日も忙しなく（という言い訳をしながら）1日が終わってしまう。

でもそんな日々の合間にふと本を開くと、私をただの一人ぼっちにしてくれる。
誰かの心の動きを感じることができる。
子どもと読む絵本だって、宝物みたいな時間をくれたりもする。

本はいつも静かに佇んで、大らかに私を待っていてくれている。
読書はこんな私にだってやさしい。

読書は食事や睡眠、入浴と一緒のような感覚だ。読書をすることで、脳や身体が軽くなるし、肩こりも軽くなるような気持ちになる。一人に戻るための儀式のようにも感じる。読書は娯楽だけではないと思うし、ノートとペンのように私に安心感を与えてくれる、大切な友達のような存在だ。

いたんですよ。先日、山手線に乗ったらほぼ全員がフォンを見ている。その中、本を読んでいる人がひとり。1番端っこの席で。しかも頑なに本を読んでいる。僕も鞄には本を何冊か入れて読める機会を待っています。

小さなカフェを経営してるんですが、ひとりで本を読んでいるお客さんが集まった時、店内がなんとも言えない心地よい雰囲気になる時があります。そんな時は本の力を感じますね。